チーム沖イカ

釣行データ

日時:2020年2月3日 6時40分出船・14時沖上がり
エリア:神奈川県洲崎沖、沖の瀬
天候:晴れ
潮回り:若潮(満潮12時5分、干潮6時27分)
船宿:成銀丸

風と共にやってきた入れ乗りタイム

堅調な釣果

成銀丸は大型船で快適だ

 1月下旬に取材を予定していたが、東京に積雪予報が出るほどの強烈な寒波が関東・甲信越を襲い、仕切り直し。2月上旬の取材になった。今回お世話になった船宿は松輪の成銀丸。マダイ、マルイカ、ヤリイカ、カワハギを中心に旬の釣りものを追っている船宿だ。舵を握るのは山田祐弥船長。

 今回のターゲットであるヤリイカは夏の終わりから以前は3月いっぱいくらいまでが釣期だったが、最近は4月、長い時では5月くらいまで楽しめる年もある。原因は分からないが、釣期はズレてきていると感じる。

 今シーズンのヤリイカの釣況を振り返ると、ムラはあるものの堅調に釣れているのではないだろうか。本誌が発売される頃は終盤戦の走りといったところで、大型がねらえるだろう。今回の実釣はそのもようを占うことになりそうだ。

 平日にもかかわらず賑わいをみせる松輪港。その中でもひときわ目を引く大型船・成銀丸に乗り込むのは沖イカハンターの池田暁彦さん、小菅義弘さん、永井秀夫さん。6時40分に出船し、まずは洲崎沖を目指した。約30分の航行を終えると船はスピードを緩め、群れを捜し始めた。正午前から南西風が強くなる予報。早上がりも想定して序盤から釣果を出したいところ。

松田竜也の爆乗り注目ポイント
私(松田)の愛用アイテム

愛竿はシマノ『ベイゲームXイカ直結』、リールは『ビーストマスター3000XS

淡い色を中心にレッドヘッドを織り交ぜた私のツノはシマノ『ツレヅレ針』。11cmを使用

ビシッという大きなシャクリで誘う

 7時20分、船長の合図でオモリを投入。「水深は200m、下から7mくらいまでに反応あり」とアナウンス。

 仕掛けを下ろすとおそらくサバと思われる魚の反応が穂先に出た。右舷トモに入ったお客さんのサオが弓なりになっている。上げてくるとサバがブランコ仕掛けのツノをがっちりと食っていた。カンナ1つぶん緩めるとバレる直結仕掛けと違って、ブランコ仕掛けはバレにくいが、魚も掛かりやすい。サバなどのゲストが多い時は苦労する。しかし、魚の群れが入っている時は、その群れにイカが付いていることも少なくない。ヤリイカのサワリに神経を集中するが、ひと流し目は乗らなかった。船は旋回し再び同じラインに入り直す。

 すると右舷ミヨシに入っていた永井さんから「乗りましたよ!」との明るい声。私もビシッという大きなシャクリの後にサワリをとらえ、アワセを入れると乗った。小菅さん、池田さんも乗ったようだ。船内が一気に活気付く。まずは永井さんが胴長40cmほどの食べごろサイズを船内に取り込んだ。小菅さんも同じサイズを手にし、池田さんは2点掛け。私も2点掛けに成功した。

 いいスタートに見えたが、すぐに停滞してしまった。ひと流しで1~2人が1パイ手にできるかどうか、という渋い状況が続き、船は大きく移動。沖の瀬に舵を切った。

沖イカハンターと同船することが多い赤荻さん

池田さんも2点掛けでスタートした

風が呼び込んだ入れ乗り

沖の瀬に移動するとまず乗ってきたのはこのサイズ

手返しよくヤリイカが船内に吸い込まれていく

 沖の瀬に到着すると、船団とはいえないが、イカ釣りと思われる船が何艘か見えた。水深は160mと先ほどより浅く、潮は速め。ひと流し目は反応なしに終わったが、2流し目に2点掛け。いい仕切り直しと思ったが、その後が続かない。永井さん、小菅さん、池田さんにサワリはあるようだが、釣れても胴長15~20cmの小型ばかりだ。

 直結仕掛けで小型のヤリイカを掛けるのは難しい。小型のヤリイカはパワーが弱く、身も柔らかいため、巻き上げ途中にバレやすい。この小型を掛けていくのだからさすが沖イカハンターの凄腕だ。

 北寄りだった風はしだいに南寄りに変わり、お昼頃には白波が立つくらい強くなった。徐々にウネリも入ってきたが、イカの活性も上がり始め、船内は再び活気付く。スルメは朝から食いが立つことは珍しくないが、ヤリイカはどちらかというと朝寝坊。風の影響だけではないと思うが、今日の時合であることは間違いない。ヤリイカは基本的に底ねらいであり、いれば比較的イージーに乗ってくることが多い。したがって釣果を伸ばすには、時合が来たら、いかにトラブルなく、バラさず、多点を混ぜながら手返しよく釣れるかにかかっている。今日一番の集中しどころだ。

小型から良型までコンスタントに掛けていた池田さん

この日はバラシに悩まされた小菅さんだったが良型をしっかりキャッチ

直結仕掛けはちょっとした緩みでバレてしまう。最後まで気が抜けない

 着底して底を取り直すと20~30mはあっという間にイトが出てしまう。潮は速く、風は強く、釣りにくい。水中では余分にイトが出ているため、イカのサワリは察知しにくい。こういう状況下では低速巻きで誘いをかけてラインを張り気味にしたほうがアタリは出やすい。低速巻きで誘い上げると乗った。追い乗せを誘うとズンという重量感が伝わってくる。

 直結仕掛けは仕掛けを緩めてはいけない。波や風がある時は仕掛けが緩みやすいので注意しなければならない。船の上下に合わせて穂先を上げ下げし、テンションを緩めないようにしていく。そして、ロッドホルダーにサオを置く時にイカが最も外れやすいので気を抜かないようにする。穂先を上げながら置くことが大事だ。直結仕掛けはスリリングで手返しがよい。バレやすいというデメリットと引き換えにしても、イカ釣りの醍醐味を味わうなら直結だと思う。

 巻き上げて、最後にツノを手繰ると透き通るようなヤリイカを1点、2点と船内に取り込んだ。他の沖イカハンターもこの時合を逃すまいとサワリをとらえて、掛けていく。活気付く船内であったが、無情にも船長から早上がりのアナウンス。1時間ほど早く納竿となってしまった。前半はモヤモヤする釣りだったが、最後にはしばしの入れ乗りを体験でき、満足いく釣行になった。
 

ウネリが入った難しい状況だったが永井さんは多点掛けで釣果を伸ばしていた

後半はこのサイズが続いた


				今回はヤリイカシーズン終盤戦の2月上旬の取材となった。
				この日の午前中は釣れても後が続かない渋い状況だったものの
				風が南寄りに変わり白波が立つほど強まったタイミングでイカの活性が上がり始めた。
				とくに直結仕掛け使用時は、波風で仕掛けが緩みやすいこういった状況下では
				取り込み中のバラシが増えてしまいがち。
				船の揺れに合わせてサオ先を上げ下げしテンションを緩めないことが重要だ。
				ロッドホルダーにサオを置くときも
				穂先を上げながら置くなど気を抜かないようにしよう。

				今回はヤリイカシーズン終盤戦の2月上旬の取材となった。
				この日の午前中は釣れても後が続かない渋い状況だったものの
				風が南寄りに変わり白波が立つほど強まったタイミングでイカの活性が上がり始めた。
				とくに直結仕掛け使用時は、波風で仕掛けが緩みやすいこういった状況下では
				取り込み中のバラシが増えてしまいがち。
				船の揺れに合わせてサオ先を上げ下げしテンションを緩めないことが重要だ。
				ロッドホルダーにサオを置くときも
				穂先を上げながら置くなど気を抜かないようにしよう。