ズボ釣り、九州では吹き流し釣りの天秤カゴ釣りをこう呼んでいる。仕掛けは、3本エダスの5m前後の仕掛けを天秤の先につけて、マキエとツケエを同調させる釣りのことだ。 今回その釣りに、「ミッドゲームCI4+ TYPE64 M225 LEFT」と「フォースマスター601DH」を持ち込んで玄界灘の沖ノ島沖に出かけた。
神湊港出船
沖ノ島は世界遺産の島。玄界灘の真ん中に、ぽつんと浮かぶ絶海の孤島。周囲を対馬海流の暖流が流れ、イサキをはじめ、青物、マダイなどの好場になっている。
当日、宗像市神湊港から乗船し、イサキポイントに向かった。
月齢は大潮初日、潮の動きは悪くないが、満ち込みよりも下げに分がある潮回り。午前10時すぎの潮変わりまでは我慢の釣りが続いたが、下げ潮が効きだすとダブル、トリプルと掛かり入れ喰いも堪能できた。
釣りは、釣れるときは工夫などしなくてもいいが、喰いが悪いときほど、タックルの差が出る。今回も痛切にそのことを感じた。
イサキは居喰いする魚として私は認識している。潮が動かないときは、特にその傾向が強く、満潮の時間帯にいかにアタリをひろうか、また喰い込ませるかに苦心した。
そのときに、ミッドゲームCI4+ TYPE64 M225 LEFTの竿先の目感度、手元に伝わる伝達の高さによる手感度に助けられた。潮が動き、活性が高いときは、竿全体がグーっと曲がり込むほどのアタリを出すが、潮がいかない時間帯は竿先の違和感程度の目感度で、アタリを感じ、即座にフォースマスター601DHのスロー巻上げを利用し、誘いを掛けると本アタリが出る。まさに使用するタックルのポテンシャルを使い、イサキを釣ることができた。
また、リールを左巻きで巻く私は片手操作のメリットを活かして、仕掛けを送り込んで(イト出し量は2m程度)より長く同調時間を稼いだ。その同調時間の長さは、マキエとツケエの見分けがつかなくする効果もある。今回喰わない時間帯の対応の手段の一部だ。
基本的にはイサキは、群れのピラミッドの上部に大型が滞在するとセオリーで言われているが、これもフォースマスター601DHのワンハンドの操作性が功を奏した。
操作性と使いやすさで
釣果アップ!!
今回の私の仕掛けは市販品ではなく、自作の物を使用したが、取り込みのことも考えて、自分の1ヒロでエダスの間隔を作っていた。最初のアタリを取ってNEWタッチドライブで1.5mほど巻上げ、次のエダスに喰わせ、その次に一番先のハリに、とワンハンドのメリットでこれらの動作をスムーズに行い、すべてのハリに多点掛けできた。これもタックルのメリットだろう。この日のクライマックスは40cmクラスのトリプル。
ミッドゲームCI4+ TYPE64 M225 LEFTはバットが強く、しっかり魚を浮かせてきた。ほかの釣りでも効果的なポイントはあるだろうが、この釣りでの操作性と使いやすさは特筆するに値した。
イサキに限らず、ズボ釣りでは長い仕掛けの取り扱いに注意が必要。船の上での取り扱いはもちろん、仕掛け投入時、また、マキエ振り出しのタイミングも工夫が必要で、それが仕掛けを絡ませない方法であり、強いては釣果をアップさせる工夫となる。
ポイントとして挙げると、1.船の上では、ハリスを重ねておかない。風が強い日はタオルで押さえておく。2.投入は先バリから行う。そしてすべて投入後、海中の仕掛けの状態を見て天秤カゴを投入する。流れが強いときは、潮下の同船者と絡まないように注意する。3.マキエを振り出すタイミングはタナ(指示ダナ)に到達後、すぐに行うのではなく、仕掛けがなじむタイミングを見計らおう。また振り上げた竿をストンとおろすと引き寄せられた仕掛けに絡むので注意したい。これらの所作を確実に行うことで、仕掛けの絡みは軽減できる。