今年、大ブレイクした東京湾のテンヤタチウオ。とにかく「大型がそろう」と、専門船を出す船宿も増えてきた。９月中旬、浦安から、シマノフィールドテスター 鈴木新太郎さんが釣行。狡猾なタチウオとの駆け引きを紹介。

東京湾浦安出船

午前6時、受付の後、船に乗り込む。
当日のタックルは、テンヤタチウオ専用ロッド「サーベルマスターXTUNE テンヤ 82 MH180 LEFT」に電動リール「フォースマスター601DH」の組み合わせ。
午前7時に河岸払い、やがて僚船がひしめく横須賀沖水深60mに到着。船団から、やや離れたところで投入の合図が出る。指示ダナは海面から52～45m。船べりの「探見丸CV-FISH」には、タチウオの反応がばっちり映っている。
鈴木さんは持参した手ごろサイズのイワシをクーラーから取り出すと、頭を付けたままテンヤに装着。指示ダナの下限から、小さくシャクってリールハンドル半回転。上へ上へと止めを入れながら誘っていく。
タナ上限でステイを入れていると“コツン”と、竿先を押さえ込むようなアタリ。鋭く即アワセすると竿が止まってフッキング。早々に90cmクラスを抜き上げる。

誘い方で竿をセレクト

テンヤタチウオ釣りの誘い方はいくつかあるが、もっとも手軽なのは電動スロー巻き。竿を水平にしたまま、ゆっくり巻くだけ。引き込みがあったらアワせる。この、喰わせて乗せる釣法は7：3調子の竿が向く。　
もう一つの基本的な誘いは、この日、鈴木さんが実践していた、巻いては止めるロッドアクションを加えた方法。前アタリが出たら積極的に掛けにいくので、竿は8：2～9：1調子がオススメ。
「“止め”を長く取ったほうがいいときもあるよね」と話していると、竿先を跳ね上げるアタリを捉えてサイズアップに成功。

攻め方によって最適なロッドを選ぶ

開始してすぐに90cm級をキャッチ

注目釣法で1m超え連発

日が高くなると、反応はあるものの、喰い気が降下気味。ここで、小さな喰い上げのサインを、より攻撃的に掛けていくため、竿を9：1調子に持ち替える。
すると、これが的中。誘った後の止めで“フッ”と竿先が戻るシグナルを即掛けでアワせていく。「初めはアタリの幅が小さくて、少し硬いかなって思ったけど、面白いように掛けられる」と次々にメーターオーバーの良型を抜き上げていった。
タチウオは狡猾で気まぐれな魚。その日の誘いパターンを早く見つけること。釣り方や喰いによって竿の調子を変えることが面白さを増し、好釣果につながる。

ガッチリとテンヤにフッキングさせてゲット