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一竿風月トップ
伝説の“浅ダナスペシャル”、再臨。中澤 岳×風切 春を感じる中澤流抜きセットの極意【前編】

 

 

以前、「浅ダナスペシャル」として注目を集めた名竿があった。
「飛天弓 風刃(ひてんきゅう ふうじん)」。
しっとりとした中硬式本調子でありながら、独特なシャープな鋭い感触は、
多くの浅ダナ名手達を魅了したのである。
そんな「風刃」が、最新技術と斬新なデザインをその身にまとって現代に蘇る。
その名も、「風切(かぜきり)」。
釣り手は「風刃を最も愛した」、名手・中澤 岳だ。
中の島センターのメーター抜きセットで、
「本家」の凄みを存分に見せつける。

 

「風切(かぜきり)」

「まだまだ寒い日が続くね。中の島センターへの釣行はかなり久しぶりだから上手く釣れるかどうかは分からないけど、今日はすごく愉しみにしてきたんだ。情報も何もないけど、今日はとにかくメーターセットととことん向き合ってみるつもりだよ。」

2月某日、名手・中澤 岳は埼玉県川口市にある老舗管理釣り場「つり掘 中の島センター」にやってきた。へら池だけでなく大きな室内釣り堀も人気で(金魚やコイ)、この日もたくさんの家族連れで賑わいを見せていた。

同じ川口市に住む中澤だが、年に1度来るか来ないかという「近くて遠い釣り場」。今回も久しぶりの釣行ということで、かなり愉しみにしていたようだ。

天気は快晴だが、朝はまだ氷点下の「真冬」そのもの。7時、開場と同時に白い息を吐きながらへら池へと入場する。

へら池にも早朝からたくさんの釣り人。状況はまったく分からないが、「中の島は魚影が濃いからどこに入っても大丈夫でしょう。」と、空きがあった中央桟橋の手前寄り、風向きを考慮して事務所を背にした向きに座る。

「今日はメーターセットととことん向き合う。」と話した中澤。釣り座に座るなり手際よく準備を進めていく。そして、今日は朝から妙に嬉しそうな中澤の、その「理由」がほどなくして明らかになる。

 

●竿

【風切(かぜきり)】 9尺

●ミチイト 
0.6号 

●ハリス

上0.5号 下0.4号 6-27cm 

●ハリ 
上6号 下3号 

●ウキ 
パイプT7cm 1本取り羽根 B4cm カーボン足5.5cm
※エサ落ち目盛は全7目盛中、クワセを付けて1目盛出し


●バラケ

粒戦 100cc 
とろスイミー 50cc 
サナギパワー 150cc 
 200cc 
セットアップ 150cc 
 150cc
丁寧にかき混ぜ、綺麗なボソに仕上げる。


●クワセ

力玉 さなぎ粉漬け(「軽さなぎ」使用)
 

タナはウキからオモリまでを規定ギリギリの1mにセット(水深は約2m)。釣り方は、バラケをタナに届く前に上バリから完全に抜いてしまう「抜きセット」だが、もうみなさんご存知のとおり、この「抜きセット」の元祖こそ、誰あろう中澤 岳なのだ。

「最初にやり始めた時って、みんな、好奇の目で見ていたよね(苦笑)。でも、冬でも短いハリスでアタリも早いし、あっという間に広まった。今ではみんな当たり前のようにやるようになったし、同じ抜きセットでも色々なバリエーションが研究され、実践されている。嬉しいことだよね。」

「元祖」であることを誇らず、一般的な釣り方になったことを「嬉しい」と表現するのがいかにも中澤らしいが、この日、筆者は「元祖の凄み」を嫌というほど思い知らされることとなる…。

…とその前に、やはり中澤が取り出した見慣れない竿について触れねばなるまい。

「風切(かぜきり)」

何を隠そうこの竿こそ、あの中澤名手が愛した伝説の名竿、「飛天弓 風刃」の後継機なのだ。

「嬉しいよね。今日はこの竿を振れるとあって、とにかく朝からウキウキしていたんだ(笑)。なんせあの『風刃』の後継機種だからね! そして、その仕上がりがまた最高なんだよ。」

比較的地味な口巻デザインだった「風刃」に対し、「風切(かぜきり)」は180度そのデザインコンセプトを転換し、なんとシマノとしては非常に珍しくチャレンジングなパールホワイトの外観をその身にまとって現代に蘇った。

しっとりとした中硬式本調子でありながら、シャープな「振り感」と「水切り感」を兼ね備えていた「風刃」。当時、中澤が会うたびに絶賛していた愛機で、シマノとしては珍しい、はっきりとした「浅ダナスペシャル」という触れ込みもまた「浅ダナマニア」を歓喜の渦に巻き込んだ名作だった。その「風刃」が、「スパイラルX」、「しっとり綾織握りⅡ」、さらには斬新なデサインを手にして堂々現代に蘇ったのである。

「嬉しいのは、調子を変に変えていないってこと。妙に硬くなることもなく、それでいて現代の大型に負けない力強さを手にしている。目を瞑って振っていると、あの『風刃』のしっとりかつシャープな独特の感触が手のひらに蘇ってきて、本当に嬉しくなるよ。で、目を開けると斬新なデザイン! 当時は僕も『風刃』ってもっと派手なデザインでもいいんじゃないかって思っていたので、もう『コレコレ!』っていう感じなんだ。」

 

濃厚な魚影とコンディションのいい良型揃いで人気の「つり堀 中の島センター」。大きな室内つり堀も併設され、ファミリーにも人気。へら池は2m前後と手頃な水深で、普段は底釣りや段底でじっくり愉しむ方が多い。そのせいかへら鮒のタナは落ち着いていて、釣堀らしからぬ釣趣を愉しめる。

シマノとしてはかなり思い切ったデザインを採用した「風切」。あの名作「飛天弓 風刃」のDNAを受け継ぐ…と聞けば、そのポテンシャルを容易に想像していただけるだろう。パールホワイトの外観はシンプルながら釣り場でとにかく目立つ。また、元に施された「風」をイメージしたワンポイントもセンス抜群で、「風切」の性格を上品に主張している。
竿の調子は「飛天弓 風刃」を彷彿させる中硬式本調子で、よりパワフルになった印象。しかし「硬い」という印象はなく、「スパイラルX」等のシマノの最新技術によって、竿そのものの力感が一段も二段もアップしている感じだ。「しっとり綾織握りⅡ」の採用も効いていて、振っていて「現代の竿」という印象が強い。それでいて7尺で約2万円(税抜き)というハイコストパフォーマンスも実現していて、あの伝説の名竿「風刃」のテイストを低価格で手にできるのも嬉しい。

全体のバランスが整った

「いいねぇ、この感触。」

 エサを打ち始めるなり、思わず中澤が声をあげる。

 早くも右からそよそよと風が吹き始めていたが、「風切(かぜきり)」はこともなげにライトタックルを運び、正確無比な落とし込みを決めていく。

「この『風切(かぜきり)』という竿は、『風刃』から変にその調子を変えていないところがいいよね。ちゃんと『風刃』なんだ。まずそれが嬉しいよ。軟らかくてしっとりとしていながら、ちゃんとシャープな感触がある。これって『柳』とも『皆空』ともまた違う感触なんだよね。『普天元 獅子吼』とも違う。まさに唯一無二。

で、『風刃』はちょっと竿先が負けるというか、穂先が垂れる感触があったんだけど、今回の『風切(かぜきり)』ではそれがきっちり修正されていて、全体のバランスが整えられているんだ。竿全体は『風刃』よりむしろ軟らかい感触なんだけど、竿が風や魚に『負ける』感覚が明らかに『風刃』より薄い。これってやっぱり『スパイラルX』の恩恵が大だとは思うんだけど、それだけじゃなくて、ちゃんと細かい調子バランスが煮詰められている。地味な進化かもしれないけど、それがまた職人気質なシマノらしくていいよね。」

あの「風刃」のさらに上をいく振り込み性能を手にした「風切(かぜきり)」。たまらず筆者も中澤の竿を貸してもらって1投振り込ませてもらったが、なるほど、小さなウキの重さを確実に感じられるしっとり感を持ちながら、失速しない「バランス」が絶妙なのだ。また、竿全体は細身で軽量感が際立ち、あの『風刃』独特のシャープな感触も健在。その斬新なデザインと破格のコストパフォオーマンスに思わず目がいってしまうが、これはかなり玄人好みな「通な竿」とも言えると感じた。何より、どこかを重点的に変えて個性を出すのではなく、「スパイラルX」の恩恵を十二分に生かしながら、「全体の調子バランスを整える」という手法を選択したのが、いかにもシマノらしいではないか。

 

そよそよと吹き始めた風の中、ライトタックルで完璧な落とし込みをズバズバと決めていく中澤。「『風刃』のあのしっとり感とシャープさが同居する感触はそのままに、全体的なバランスが整えられた印象。だから振り込みがとにかく楽。」と中澤はその振り味を絶賛した。「抜きセット」において、正確な落とし込みはまさに生命線。釣果を大きく左右するファクターとなるのだ。

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中澤 岳 TAKESHI NAKAZAWA

1955年、茨城県生まれ。
86年シマノジャパンカップへら釣り選手権大会準優勝、マルキユーゴールデンカップ優勝。06年と12年JC全国進出。07年と11年にシマノへら釣り競技会 野釣りで一本勝負!! 優勝。大学時代に学釣連大会の連覇記録達成。「関東へら鮒釣り研究会」所属、「クラブスリーワン」会長。

 

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